子宮全摘出 手術記録②
手術室に入り、今日行われる手術内容を
自分の口から話して確認。
手術台の上に横になる。
室内では、音楽が流れており、それが
子供が前によく聞いていた曲だったので、
子供を想っていたら、なぜか涙が流れた。
優しい看護師さんが、ガーゼで涙を拭ってくれた。
その後、麻酔が点滴から入ってきて、
まもなく意識は無くなった。
目が覚めると、薄暗い部屋で
夫が私の手を握って、「よく頑張ったね。取った子宮は、思ったより大きかったよ」と
話してくれた。
交わした会話は、それしか思い出せない。
意識がハッキリした頃には、
足にはエアーポンプ、尿管がつけられ、
顔には酸素マスク、腕には点滴、オムツを履いた状態だった。
朦朧としてはいるが、お腹が何となく痛い。
しばらくすると、便意を催してきた。
後で聞いたら、腸の癒着を防ぐ為に、下剤を投与して、腸の活動を促すとの事。
オムツの中で用を足すことは、手術の痛みよりも耐え難い事ではあったが、看護師さんの
「治療の為に、こうでなければいけないし、
同じ手術をした人は皆そうですよ」との言葉に救われた。
「恥ずかしい思いをさせて、ごめんね」と看護師さんは言ってくれたが、仕事とはいえ、医療従事者の方には、頭が下がる。
気づけば、口内炎ができていた。
喉の違和感も、挿管の時にできた傷の為だろう。手術前に説明を聞いていたので、
不安はなかった。
朝を迎えて、酸素マスクとふくらはぎのエアーポンプが外された。
エアーポンプは血栓予防の為に付けていた。
久しぶりに口にした水は、なぜか甘く感じて、
あまり飲めなかった。
その後、個室に戻り、だんだんと自由に動けるようになった。
ここからは日にちが薬だ。
今は、手術翌日の夜。1日でここまでなるのは、やはり腹腔鏡手術だからだろう。
患部は、おへそと横の小さな穴が2箇所。
開腹手術に比べて、切開部が圧倒的に小さい。
退院日も早くなるかもしれないが、
仕事に行けるのは、もう少し先かもしれないな。